令和6年 処遇改善加算
1 基本的な考え
令和6年介護報酬改定に伴い、福祉・介護職員等の確保に向けて、福祉・介護職員の処遇改善のための措置ができるだけ多くの事業所に活用されるよう推進する観点から、福祉・介護職員処遇改善加算、福祉介護職員等特定処遇改善加算・福祉・介護職員等ベースアップ等支援加算について、現行の各加算・各区分の要件及び加算率の組み合わせた「福祉・介護職員等処遇改善加算」に一本化されます。
2 介護職員等処遇改善加算の全体像
区分 | 各区分の趣旨など | 対応する現行の加算 |
Ⅰ | 《事業所内の経験・技能のある職員を充実》 | 処遇加算(Ⅰ) 特定処遇改善加算(Ⅰ) ベースアップ等支援加算 |
新加算(Ⅱ)に加え、以下の要件を満たすこと ・経験技能のある介護職員を事業所内で一定の割合以上配置 していること | ||
Ⅱ | 《総合的な職場環境改善による職員の定着促進》 | 処遇改善加算(Ⅰ) 特定処遇改善加算(Ⅱ) ベースアップ等支援加算 |
新加算(Ⅲ)に加え、以下の要件をみたすこと ・改善後の賃金年額440万以上が1人以上 ・職場環境の更なる改善・見える化 | ||
Ⅲ | 《資格や経験に応じた昇給の仕組みの整備》 | 処遇改善加算(Ⅰ) ベースアップ等支援加算 |
新加算(Ⅳ)に加え、以下の要件を満たすこと ・資格や勤続年数等に応じた昇給の仕組みの整備 | ||
Ⅳ | 《介護職員の基本的な待遇改善・ベースアップなど》 | 処遇改善加算(Ⅱ) ベースアップ等支援加算 |
新加算(Ⅳ)の1/2以上を月額賃金で配分 ・職場環境の改善(職場環境要件) ・賃金体系等の整備及び研修の実施など |
3 取得の要件
福祉・介護職員等処遇改善加算の算定要件は、月額賃金改善要件・キャリアパス要件・職場環境等要件の3つの軸に分かれます。また3つの軸の中でも加算区分に基づいて細分化されるため、処遇改善加算の算定要件には以下の8つが設定されます。
1.月額賃金改善要件Ⅰ
新加算Ⅳの1/2以上の月額賃金改善
2・月額賃金改善要件Ⅱ
旧ベースアップ等支援加算額の2/3以上の新
規の月額賃金改善
3・キャリアパス要件Ⅰ
任用要件・賃金体系の整備など
4・キャリアパス要件Ⅱ
研修の実施など
5・キャリアパス要件Ⅲ
昇給の仕組みの整備など
6・キャリアパス要件Ⅳ
改善後の年額賃金要件
7・キャリアパス要件Ⅴ
介護福祉士などの配置要件
8・職場環境等要件
あげられた処遇改善の取組への実施
4 配分ルール
新規加算等を用いて行う賃金改善における職種間の賃金配分については、福祉・介護職員への配分を基本とし、特に経験・技能のある介護職員に重点的に配分することとするが、事業所等の判断により、福祉・介護職員以外の職種への配分も含め、事業所内で柔軟な配分を認めることとする。
5 当法人の取組として
②職場環境要件
各介護サービス事業所では、賃金以外の処遇改善について、下記の取組を実施しております。
当法人としての取組 | |
入職促進に向けた取組 | 福祉養成校の実習受入、学生ボランティア受入等、職業魅力度向上に努める。面接時から、個々の労働可能条件を考慮し未経験者・中高年齢者については、オリエンテーション・見習い期間を延長 し不安軽減に努める。 |
資質の向上やキャリアアップに向けた支援 | 自己啓発による資格取得支援を促進するため資格手当を支給している。 より専門性の高い介護技術を習得しようとする者に対する喀痰吸引、認知症ケア、中堅職員に対するマネジメント研修の受講支援(研修受講時の他の介護職員の負担を軽減するための代替職員確保を含む) |
質の高い専門職業人育成のため、関連法人間における合同研修の開催、外部講師を招いての研修 IT(ネット動画)研修を取り入れ、研修の機会を多くもうけ、研修の受講状況を管理者が確認・評価し人事考課制度の評価と連動し評価に反映している。 | |
両立支援・多様な働き方の促進 | 働き方改革 年次有給休暇取得推進を積極的に行い、就業規則の改正を行った。 |
シフト作成において、個々人の家庭環境・背景を考慮し短時間労働の設定行なう。 | |
腰痛を含む心身の健康管理 | リスク委員会を設置、他職種の職員の参加により、ヒヤリハット・事故報告の集計・分析(SLEL分析)し事故の再防止・未然防止について検討。 各委員会の運営においてマニュアルを作成 「緊急時対応」「災害・防災」「看取り」等を整備・周知を図る。 苦情解決、苦情受付・苦情解決について社会福祉法第82条の規定により担当者を定めている。 |
生産性向上のための業務改善の取組 | 高齢者の活躍(食事の配膳/下膳等の他、余暇支援の補助等)直接身体的支援を伴わない支援を担ってもらうことで、専門職員の業務量の縮減を図る |
各業務の手順書、マニュアルを作成し、業務内容の標準化を図る。 記録用紙の工夫を図ることで、重複した記録を無くし、業務の効率化を図る | |
やりがい・働きがいの醸成 | 利用者本位に関して、IT研修、定期開催のケアカンファスを通じて学ぶ機会を設ける。 また、未経験者、新人職員に向けて介護保険の基本について学ぶ機会を設ける |